世阿弥の時代は「五十有余」で老齢の域に達していたというから、今に当て嵌めるなら、幼児期はともかく、若年・壮年期については5歳から10歳ぐらい足してみるといいのだろう。そうなると「三十四五」が私の該当する段階だ。
世阿弥曰く、「このころの能、盛りの極めなり。ここにて、この条々を究めさとりて、堪能になれば、さだめて天下に許され、 名望を得べし」
この年代が芸の盛りの最高潮だというのですね。ここで芸を極めれば、世に認められ、名声を得ることも可能だという。
しかし、、、
「もし、この時分に、天下の許されも不足に、名望も思ふほどなくば、いかなる上手なりとも、いまだ真の花を究めぬしてと知るべし」
だそうです。
なぜならば、「もし究めずば、四十より能は下るべし」。
薄々感じてはいるんだがそうなんだなー。
子供のころ、叔父さんの物理学者が「数学者は40過ぎたら使い物にならない」と語っていた。当時は意味がよく分からずぼんやり聞いているだけだったが、そうか、そうだった。あの時叔父さんは何歳だったんだろう?ものすごい年上に感じたが、実際は助手から助教授になったぐらいだったんだろうか?
(via ginzuna)