森達也「あのーまず1番大きいのは、民意ですね。世論です。つまりそこでもし、裁判長が精神鑑定を認めても、おそらくはまあ、えー精神科医、精神科医がね、きちんとした判断をする人であれば、それはまあ、現状、裁判出来る状態じゃないと。つまり訴訟能力がないと。そういった判断をして裁判中止になりますよね。

そうなったらまあ国民どうなるか。まあ……なぜじゃあ麻原を死刑にしないんだって大騒ぎになるでしょうね。場合によってはもう裁判所、その裁判官も批判されるでしょうし。その前から弁護団はそうとう批判されてましたよね。鬼畜弁護士みたいな。そういった形容詞を使われて。

そういったものを見てますからね。うかつなことは言えないっていうふうに組織防衛に走ったと僕は見てます。つまり民意に従属した、ポピュリズムですね。メディアも同じです」