鱈の出汁実験
11/18に近所のライフで岩手県産の鱈を見つけたので出汁の実験を行ってみた。
本来、鱈を測定し、その鱈を煮て、出汁をとるべきだが、魚は個体差が大きいので敢えて生の鱈は測定せず、出汁と出汁ガラの鱈の測定を行うこととした。
概要は画像に示した通り。
内臓を取り除いたマダラ1尾を頭、骨等は販売されていたまま、身は一口大にカットし、2Lの湯で2回に分け、約10分間煮た。その後、鱈をとりだし約1Lになるまで煮詰め、茶こしで残った鱈の身を除いた物を出汁とした。
測定は出汁と出汁ガラの鱈をEMF211で3600秒測定した。
尚、図中では分かりやすくするため測定値に各試料の重量を掛けてBqで表示している。
出汁1076gにセシウム137が6.2Bq、セシウム134が4.7Bq含まれていた。今回の実験は鱈の量こそ多いが一般的な鍋を想定しており、この出汁が雑炊になると含まれるセシウムをすべて摂取することになる。また、出汁ガラは714gとすこし少ないため参考値となるが、セシウム137が5.4Bq、セシウム134が2.5Bq残っていた。
これらの数値を元に、調理および測定中のロスがないと仮定すると鱈から出汁へのセシウム移行率はセシウム137で53%、セシウム134で65%と推察される。
追加実験として、同じスーパーで11/23に更に2尾の岩手産真鱈を購入し同様の実験を行った。
この実験はまだ出汁しか測定が行えていないが、約900gの鱈から出汁をとったところ、1つの検体は約1Lの出汁からセシウム137が3.8Bq/kg、セシウム134が定量下限値以下(定量下限値は2.0Bq/kg)、もう一つの検体はセシウム137、セシウム134共に定量下限値以下(定量下限値はそれぞれ2.0Bq/kgと3.0Bq/kg)であった。
測定は共にEMF211で測定時間は3600秒
出汁ガラの測定結果が出たら情報を追加する予定だが、同じスーパーで購入した真鱈であったも個体によってセシウム濃度が大きく値が異なる事が示された。
また、移行係数が50%程度と比較的高いことから雑炊等で出汁を食する場合には注意が必要である。
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