言霊と革命を超えて

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ユーロについて知れば知るほど、国民主権国家が常識になっている現代の世界において、「通貨同盟」や「共通通貨」は長期的には継続し得ないことが分かってきます。ところが、日本には未だにこんなことを言っている人たちがいるわけです。


2045年までに在日米軍「全廃」 維新の衆院選公約案
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121026/plc12102612100009-n1.htm
 新党「日本維新の会」(代表・橋下徹大阪市長)の次期衆院選に向けた選挙公約案が26日、わかった。終戦から100年にあたる2045(平成57)年を目標に「外国軍の国内駐留を全廃し、国土と国民を自力で守る」と記し、沖縄県をはじめとする在日米軍の全廃を盛り込んだ。
 公約案では、「国家の独立」について(1)独自の国防軍の編成(2)強制通用力を持つ独自通貨の発行(3)徴税-を満たすことで成り立つ、と定義した。在日米軍全廃は「独自の国防軍編成」の実現に必要とした。
 一方、橋下氏が沖縄県名護市辺野古以外に「良いアイデアがない」としていた米国普天間飛行場(同県宜野湾市)移設については触れなかった。
 「強制通用力」を持つ独自通貨発行策として、アジア通貨統合や新たな国際通貨制度のルール設定を日本政府が主導していくことを盛り込んだ。(後略)』


 上記は「案」なので、日本維新の会の政策として論評する気は「まだ」ないのですが、それにしても 「アジア通貨統合」とか、勘弁してください。ユーロ圏以上に歴史、文化、伝統、言語、ライフスタイル、政治制度、価値観がバラバラなアジアで通貨統合など、できるはずがありません。


 アジア共通通貨だの、東アジア共同体だの言い出す人たちは、お願いですから「定量的に」ユーロの現実を評価して欲しいと思います。
「アジアを一つに! アジアの成長を取り込む! そのために共通通貨実現を!」
 といった定性的、抽象的な話はもう結構でございますので。
 わたくしは2013年という年について、「グローバリズム」が終わり、「国民国家」が再興される年になると思っているわけです。
「いや、そんなことは無い! グローバリズムは決して、絶対に後戻りしない!」 
 と主張したい人は、モノ、カネ、ヒトの移動を完全に自由化し、通貨統合まで成し遂げた究極の「ユーロ・グローバリズム」に支配されたユーロ圏がどうなったか、目を凝らして見てください。大体、戦前の(今以上の)グローバリズムにしても、大恐慌と第二次世界大戦であっさりと終わりました。

 世の中に「絶対」は無いのです。「絶対、○○だ!」と主張することは、単なるイデオロギーで、解決策(ソリューション)でも何でもありません。
 わたくしは頻繁に「解決策は環境によって変わる」と書きますが、これは普通に「常識」だと思うわけです。日本国民は、あるいはユーロの人々は、さらには世界中の人々が、そろそろこの「常識」を取り戻すべき時期に来ていると考えるのですが、そうでない人が少なくないので(特に政治家や経済学者に)、皆が困ってしまうわけです。失業率25%の国が緊縮財政を強いられる世界が、真っ当だとはとても思えません。
ユーロ・グローバリズム|三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba (via sqiz)

(via gasarak-deactivated20240618)

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