テレビ朝日系列 『サンデーLIVE!!』(毎週日曜 あさ5時50分〜8時30分)
2017年11月26日放送分 文字起こし <池坊保子議長の発言箇所のみ>
7:09
<「ニュースLIVE!!」コーナー>
東山紀之(メインキャスター)
さあ、ここからはですね、日本相撲協会の最高決定機関とも言える、評議員会の池坊保子議長に入ってもらいます。よろしくお願いします。
池坊保子(日本相撲協会評議員会議長)
おはようございます。
東山
今日は朝早くからありがとうございます。では、まず、新たに分かったことを整理しましょう。
7:10
東山
でも、池坊さん、アレですよね。
池坊
はい。
東山
改めて(相撲協会の)聴取は拒否されたということなんですよね、(貴乃花)親方は。
池坊
はい、はい。本場所が終わったら、まずはマスコミの方にではなくて、協会の一員ですから、まずは協会に話していただきたいなというふうに思います。
それから、あの、さっきテロップに出てた、たしかにね、評議員会というのは公益財団法人においては理事会の上にあるんですけれども、決定はやはり理事会が様々な事柄に対しては、やっています。必ずしもすべてのことに決定、最高決定機関を評議員会が持ってるわけではありませんので、その辺はちょっと誤解ないように……
東山
分かりました。
池坊
議長といっても議事進行しているだけですから(笑)。
東山
分かりました。ありがとうございます。
7:13
東山
ちょっと気になるのが、まだ貴ノ岩関が何も言っていないのに、その旭鷲山さんがいろいろこう、お話をしているんですよね。それについてはどう思われますか、池坊さんは。
池坊
他の方にお話ができるんならば、まず協会になさるべきだと思うんですよ。それで協会も、危機管理委員会はちゃんと県警と連携を取りながら、「どうぞ、どうぞ。そちらはそちらでしっかりとやってください」って(県警から)言われているんですね。ですから、やはり順序として、自分がね、慕っている人に話したいのか知りませんが、それはやっぱり、秩序としては(乱れている)。
私は公平にみてね、これからの貴ノ岩さんの将来を思うとき、やっぱりきちんとした順序を踏んだほうがいいな、というふうに思います。
ですから、(元旭鷲山が貴ノ岩関に)「会わせろ」と言っても(貴乃花親方は)会わせなかったわけでしょ。だからそれは、ある意味では正しかったなっていうふうに私は思っています。
東山
親方としては弟子を守る立場にもありますもんね。
池坊
そういうことですね。
それと、さっきの、私、(八角理事長が事件把握直後に出席した横綱会で上機嫌だったという)VTRを見て思ったんですけれども、八角さんって、お子さまがね、まだ小さいから、ずーっと禁酒してらっしゃいましたけどね。
それから、県警の、ね、を聞いて、(事前に貴乃花親方側から)報告受けてなかったから、もう青天の霹靂でね、ある意味狼狽して、ある意味何が起こったか分からなくて、とてもお酒を飲めるような精神状態ではなかったと、むしろびっくりされたのが真実だと思う。
東山
なるほど。
小木逸平(テレビ朝日アナウンサー)
それにしても、全体の聴取がこう終わってない中で(日馬富士関への)処分というのは、こういうふうに急いだスケジュールの中でできるのかどうかっていうのはどう思いますか、ずばり。
池坊
それはやっぱり、そんなふうにね、一人の人間の将来に多大な影響を与えるんですから、軽々にはそんなことはない(処分は下せない)と思います。
東山
なるほど。
菊間さん、弁護士としての立場としてはどのようにお考えですか。
菊間千乃(弁護士、フリーアナウンサー)
うん。(貴乃花親方が相撲協会の)聴取、応じないというところでいろいろ言われてますけれども、そのコメントにある、「旭鷲山さんの話は『不正確』」っていうのがまさに言い表していて、やっぱり、いろんな人がいろんな角度で質問することによって、事実は一つでも、答え方によって、外に出てくるものってのが微妙に変わってくるんですよね。
で、そうすると、警察ってのはそういうのを嫌がりますし、例えば刑事が先行して、私が民事事件担当するときも、警察のほうから「刑事が固まるまではちょっと聞き取りはやめてほしい」って言われることもあるんですね。なので、貴乃花親方もおそらく、そういうところも懸念して、あまりこう、いろんなところにしゃべると、いろんな情報が出て、で、受け取る方はやっぱり自分にいいように受け取る言葉もありますので、そうするとまた貴ノ岩が何を受けてどういう思いでいるのかっていうところの情報が、いろんな情報が出てきてしまうのを嫌がって、たぶんいまは警察にお任せしているっていうところで、まあ、理解できなくはないなという気はします。
東山
うーん。
池坊
あの、(相撲協会は)警察とも連携を取っております、それは。
菊間
はい。
池坊
ですから、そういうことはないということと、これは公平な目でね、私、やっぱり(関係者が)いろんなマスコミの方におしゃべりになるでしょ。貴ノ岩さんのお兄さんが出てきたり、支援者が出てきたり、それは「お父さん」と呼ばれている人だとかね。それから今度、貴乃花としゃべったって方も、なんか他局では出てきた。だからそれがやっぱり、事実をね、混乱させていると思うんですよ。
やっぱり事実の解明は、本人がきちんとしたところでお話しになるということが、一番すっきりするんだと思う。
東山
そうですね。
池坊
それが、うん、お二人の、私はね、未来のためにも、将来ある方ですから、そうしてほしいなっていうふうに思います。
古田敦也(コメンテーター)
これ、でも、池坊さん。
池坊
うん。
古田
例えばね、貴ノ岩本人が出てきて、「横綱(日馬富士関)が十数発殴った(と証言している)けど、自分は(実際には)40~50発殴られた」って言ったら、協会(は)どうされるんですか? どちらを信用するとか、どうなる、どうなるんですか?
池坊
それは(誰の証言を)信用するしないにかかわらず、事実はまず事実として受け止めて、それから冷静に判断する。その判断はやはり県警。最優先は県警(の捜査)ですから。
古田
そうですね。だから、別に、被害者のほうがどうしても(相撲協会の)聴取(を)受けなきゃいけないっていう理由が、僕はあんまり浮かばないんですけどね。そういう、●●ったところで……
池坊
でも、このごろは、組織はね、危機管理ということを、ガヴァナンス(を)すごく言っておりますから、たいがいの組織はみんな危機管理委員会というのを設けてるところが多いんですね。
古田
はい、はい。
池坊
ですからやはり、その一員である以上は、そこ(危機管理委員会)にきちんと説明する責任があると思います。
(相撲協会の)定款の中にも、何か事が起こったら上司に報告する義務があると(定められている)。定款というのは、そこの協会のね、協会というか組織の、やっぱり「法律」だから。秩序だから。その秩序っていうのは、私は守らなきゃいけないなっていう。守ってほしいですよね。それでそれを……
小木
貴乃花親方のね、
池坊
うん?
小木
(貴乃花親方の)思惑というのは、後ほどちょっとお話を伺う機会ありますけれども、まず日馬富士関の、この処分というのが一体どうなるのか。
7:19
東山
よく「品格」のお話がね、時々出るんですけど。「品格」ってやっぱり、僕らすべての人が持ってなきゃいけないし、だからその上でね、やっぱりこう、話をしなきゃいけないと思うんですけど。横綱の場合ってのは、「品格」ってのは、特に言われますよね、やっぱり。
でも、こう、あれだけ巡業(で各地を)廻って、本場所(が)年6場所あって、様々なところでやってるので、いや、もう、なんか「いつも勝負」っていうのはかわいそうだな、と思ったりとかするんですね。あれだけ痛い思いをして(笑)、みなさん……
中林美恵子(早稲田大学教授)
次の場所があるから、(相撲協会は)やっぱり心配して、いろいろなことを調査し、できれば少しでも早く(日馬富士関への)処分の足がかりをってことらしいとは思うんですけれども。
ただ、まあ、さすがにもう警察のほうに話がいっていて、傷害の容疑があるかもしれないっていうところですから。それを待たないと何にも、やっぱり「品格」のところにまでも、なかなかまだいかない状況なんじゃないかな、という感じしますね。
池坊
やっぱり責任感とかね、正義感とか、そういうものは問われて当然だと思いますね。
まあ、私はね、今回の事件に関しては、評議員はあんまり決定権なんて全然ありません。関与できないわけですけれども、やはり(日馬富士関は)温厚でね。もちろん暴力はいけないんですよ、暴力はいけないという最大の基本に立って、(日馬富士関は)大変温厚でね。困ってる子どもたちなんかにもすごい愛の手を差し伸べていたのにね、なんでこんなことになっちゃったのって、残念だなっていうのは、素直な気持ちですね。
それから、やっぱり日本人の力士にはそういうことはなかったかもしれない。やっぱりモンゴル人同士のね、なんか甘えがあったのかな、みたいな感じも、しますね。
東山
なるほど。
まあ、この事件はですね、「東山勉強会」のほうでもしっかりとお伝えしていきたいと思います。
7:56
<「東山勉強会」コーナー>
東山
そして引き続き池坊さんにも、ここからお話を伺いたいと思うんですけど。
いかがですか。その(貴乃花親方の)人となりというのは。
池坊
うーん、人となりは分かりませんけれどね。
私はあの、貴乃花さんが「改革をしたい」っていう(主張している)。でも、どういうふうに具体的に改革をしたいのか。私は日本の伝統文化の、スポーツとは違う文化なんですけれどもね、(華道家元池坊が)6世紀から今日まで続いてきたっていうのは、伝承と改革(の賜物)なんですよ。で、改革ってね、血のにじむような努力が必要。だから、「改革」って言われるけど、それは具体的にどういうこと、「これとこれとこれ」とかね、そういう姿があるのですかっていうのを伺いたいなっていう気がする。
それと、朝青龍さんの(騒動の)時ですか。(貴乃花親方が)一番最初に言われたのは、「事実の解明が必要なんです」っておっしゃったのよね。それで私はそれ見て、「うーん、そうだ」って納得したんですけど。いま、それとは反対の方向に行っておられる。「じゃあこれ、改革じゃないでしょ」っていうことを、まあ、私はちょっと申し上げたいなっていう感じがするんですね。
もし改革をめざすならば、そして国技である相撲を大切にするならば、まずこのいろんなもの、諸問題をね、速やかに解決する方法に持っていくことが、相撲を愛している人間、関係している人の取るべき態度じゃないかなって思うときに、私は残念に思うわっていう。思います。
東山
うん。でも、いまの状況が生まれるというのはやっぱり、改革が必要なのかなって僕はちょっと思ったりとかもするんですけど。
具体的にどのような改革が必要なのかって、ちょっと聞いたこととかありますか、釜本さんは。
釜本邦茂(日本サッカー協会顧問)
いや、それはないですね。そこまで突っ込んで話はしてませんし。ただ我々が会った時に、親方しかり、それから貴ノ岩関しかりね、「元気ですか」っていうようなことでね、「頑張ってくださいよー」っていうようなことぐらいでしか、話は、突っ込んだ話はしませんから。
まあ、これから、いま池坊さんがおっしゃったね、「改革」っていうのは一体何なんだと。昔は、部屋別総当たり(制導入)っていうことも大きな改革になったわけですね。これからどういうような方向に持っていかれるのかっていうことを、まあ、そのうち話されるんじゃないかと思いますよね。はい。
池坊
いま、いまの執行部も、常に日々改革はしてるんですよね。
それと、貴乃花親方は執行部(の一員)ですから。改革がお出来にならない立場じゃないから、もうどんどん、具体的に「こういうことをしたいですよ」ということを提案なされたら、なさるべきですよね。そして、変わるべきところは変わっていくし、「古きよき時代の大相撲」をめざすならば、そういう部分はちゃんと守っていくと思うんですよね。
8:00
小木
やっぱり、あの、(モンゴル人力士同士の)馴れ合いがあって、それを、憶測を呼びかねないっていうああいう状況(「モンゴル会」)の中で、まあ、(自分の弟子が)殴られたっていう。
あの現状にはやっぱり怒りっていうのは(貴乃花親方は)感じてらっしゃるというふうに(釜本さんは)思われますか?
釜本
と、思いますね。やっぱりその、「モンゴル会」っていうものが、あんまりそこへ(弟子が)行くこと自体、(貴乃花親方は)よしとしなかった方ですからね。そこでそういうことが起こったってことは、自分の弟子がそこんとこで、まあ、これ(弟子)は自分の子どもみたいなもんですからね、親方にしてみれば。だからそういう意味ではやっぱり、非常に怒り心頭、「もう何者も話は聞かん」、そういうふうな心境だと思いますよ。
池坊
でも、私、たしかにね、本場所って「戦場」だと思うんですよ、力士たちにとっては。(本場所中)だからいま、(貴乃花親方は)沈黙(していると言われている)。でも、沈黙しているがために、こんなふうにいっぱい、憶測が憶測を呼びますでしょ。とともに、じゃあ「戦場」であるその時(本場所中)に、県警に出されたんですよね、被害届。そこの整合性がちょっと私、分からないなっていう。不可思議だなっていう気はするんですね。
そこをした以上は、被害届を(相撲協会に)報告しないで出された以上は、やっぱりここでね、きっちりと言わないと。「本場所中だから言わないんだよ」(という姿勢)だったら(整合性が取れない)。私だったらね、被害届も本場所が終わってから(提出)するかなというふうに思うので……
古田
被害届って(提出されたのは)場所前じゃなかったでしたっけ? 場所前ですよね?
池坊
そうですね。でも、場所が始まることが分かってますから。その時に……
古田
でも、それだったらいつまで経っても出せないっていう(笑)。12月になったら今度は1月の場所が来ちゃいますから。
池坊
まあ、それはそうなんです。それでもね、そうしたら場所前に、その時にはっきりマスコミに会見なさったらよかったんです、その時だったらね。まず順序を間違えた……
菊間
そうすると場所に影響を与えるので、あえて被害届を出して、ご本人としては黙っていようと思ったんじゃないのかなっていう気もしますけどね。
池坊
まあ、事実関係としてはね、どちらに味方するというのではなくてね、やっぱり義務が課せられているんだから。それはルールなんだから。やっぱり協会に言ってから、速やかに、もし(被害届を)出したいならね、出しますという(順序)ののもとでお出しになるのが、私は(よかったと思う)。
ルールって、やっぱりね、スポーツの世界ってルールが……
釜本
まあ、(貴乃花親方は)相撲協会の中の一員ですから、たぶんそうだというふうに思うんだけれども、やっぱり突然そういうこと(暴行の事実)を聞いてね、本人に何が悪いんだっていう。何もしてないのにガンってやられたら……。
何かあったんでしょ、それまでも。だけども、そのことはよくないっていうことで、親方もカーッとなったっていうこともあると思いますけどね。
池坊
まあね。でも、そうなんですよね。すべて、やっぱり……。
だけど、うん。カーッとなっても、ある部分、(貴乃花親方は)地方巡業の部長だから。
釜本
うん。
池坊
その辺は冷静に(なってほしかった)。(巡業部長は)すべての力士たちの「親」ですからね。自分の子どもは可愛いですよ、私も。でもその辺は、もうちょっとね、冷静であっていただいたら、こんなふうにならなかったかな……
古田
被害届は出さないほうがよかったってことですか? それは。
池坊
いや、まず順序を踏んだほうがよかった、まずは。定款にちゃんと義務付けられているんだから。
古田
協会に連絡しろっていう、何か定款に書いてある……?
池坊
もちろんです。そういうふうに定款に定められている。
小木
うん、義務付けされてるっていうことですよね。
池坊
義務付けられてます。だから、協会の執行部(の一員)であるんだから、それはそういう順序を踏まえて、ちゃんと協会に届け出て、それから……
古田
その後に被害届を出したらいいっていうことなんですか?
池坊
ああ、そうですね。もしお出しになりたかったら、お出しになるべきだったなって、私……
小木
そういう地位にも執着しないってところが、釜本さん、もしかしたら(貴乃花親方には)あるのかもしれないって感じですかね?
釜本
そうですね。だから自分は、自分の考えがこうだっていうことになるとね、(貴乃花親方は)そこへグッといく人ですからね。はい。
東山
まあ、とにかく、今日ね、本場所が終わるっていうことですから、
釜本
だから……
東山
(貴乃花)親方の意見もちょっと聞きたいな、と思います。釜本さん、ありがとうございました。
釜本
いや、もう。
東山
池坊さん、ありがとうございました。
池坊
ありがとうございました。
東山
さあ、続いては「読みトクLIVE!!」です。
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