2023年12月16日に投稿した「START SIGNAL【原田美世】」について、制作時のことをメモとして残しておこうと思います。いつも通り技術的に役立つ情報はありません。
①作品の主題と決定まで
人間の三大欲求といえば「食欲・性欲・バリバリ動くモーショングラフィックスの動画を見る欲」であることは義務教育で習うことですが、最近はなかなか欲求が満たせずに悶々としていました。
ニコマスを見ていてもなかなかモーショングラフィックスを組み合わせて動画を作ってくれる人がいない…
なんかこう…オブジェクトがバリバリ動いてモーションがシュッとなってチカチカするかっこいい動画をデレステMADで見たい~~~
ん?ならば自分で作ればいいのでは…?
その時閃く…圧倒的閃きっ…!!!三大欲求を満たす方法っ…!!!
W・F・D(※)のセクシー担当、原田美世で動画を作ればいいっ…!!!
※「ウィンター・F・ドライバーズ」の略。原田美世(セクシー担当)、鷹富士茄子(セクシー担当)、姫川友紀(セクシー担当)のユニット。えっちなお姉さんの集まり。三大欲求マシマシ完全栄養食でもう気が狂う!
②制作過程
モーショングラフィックスは映像表現として耳にタコができるくらいに聞く単語ではありますが、これといった定義もないフワフワとしたジャンルでもあります。作ってる側もよく分からないまま、なんとなくかっこいいと感じる表現を手探りで探しているものであり、今後もそうやって模索し続けるジャンルであると思います。
なのでその場の勢いと感覚で作るのがええんや!と思い立って制作を始めました。いつもは絵コンテを書いてじっくり考えるタイプですが今回は一切書かずに簡単なメモを書いた程度で、あとはほとんどAfterEffects上のみで完結しました。
ですが、まぁ勢いで進む方法はその勢いが衰えると一気に失速するもので、途中で一切進捗がダメになる時期がありました。こういう時にコンテを書いていたり動画の方向性をしっかり決めておくと軸がぶれることも少ないので、なんだかんだちゃんと考えてから制作すればよかったなと反省。
BPMが早くてスピード感のある動画を作りたかったので、作りやすいモーターレースという直球なテーマに決め、原田美世を主役として構想を考えました。映像内の展開が早いため、色数を少なくして統一感を出して見ていて疲れないようにするなど最初にルールを決めてから作り始めました。
カーレースから連想できるものを調べ上げ、道路標識やレースのポスター、各社のロゴマークなどモーショングラフィックスとして動かせそうなものをピックアップして映像内に取り込めるように試行錯誤しました。結果としてあまりこだわった動きは少なくし、黄色・黒を基調としたシンプルな構成にしてみました。先述の通り展開が早い作品のため、じっくり見せる必要がない部分を削ったが故の結果です。
フリー素材のF1車モデルを魔改造して使わせてもらいました。正直車に関しては全くの素人なので雰囲気で使っています。
3DのF1車が出てきて、それを上からゆっくりとカメラが回り込み、車のスピード感を出す。この動画で最初に完成イメージがはっきりと見えたのはこの部分だったんですが、なんでこんなヘンテコな感じになっちゃったんだろう…
たぶんアレだな…運転手の3Dモデルはなかったからそのまま使うと勝手に猛スピードで走る暴走レースになっちゃうから運転席のところを隠すように半円を置いたからなんか違和感あるんだな…でもそれがないと無人運転になっちゃうから許して…
サビからはデレステMVを使用して一気に展開の早い構成に変化させています。ただ、なるべくMVをそのまま使用したくなかったので、エフェクトをかけたりモーショングラフィックスを載せたりノイズを走らせたり、なにかしらの変化をつけるようにしています。
サビの構成はこの動画のリスペクトもといパクリです。画面の一部分割やリールによるトランジションなど、かっこいい要素満載でもう真似するしかないなぁと常々思っていました。近づこうと思って頑張ってみましたがどうかな…
使ったのは主に以下のエフェクト(AfterEffectsCS6基準なので今のAEとは名称がたぶん違うと思う)
- CC Tiler…画面をタイル状、つまり分割して表示させるエフェクト。手動でやるとひたすらめんどくさい画面分割を一瞬でやってくれる頼れるヤツ。滑らかに分割させるよりキーフレーム打って段階的に分割させた方がかっこいい(主観)
- CC Ball Action…点々模様だったり背景の賑やかしを作成するのに使用。意外と使いどころの多い万能エフェクト
- ブラインド…トランジション用のエフェクトだけど走査線っぽいものを簡単に作れるので重宝してる。もちろんモーショングラフィックスに使うオブジェクトの作成にも便利
- オフセット…画面をずらすエフェクト。CC Tilerは画面の中心を基準に綺麗に並ぶが、こっちは中途半端な増やし方が可能。ノイズっぽい表現と相性がいい。ただどのエフェクトフォルダに分類されているのかいつも忘れる(ディストーション内にある)
(オフセット使用場面。画面を複製したうえでずらすことが可能)
- ミラー…名前通り画面を反転させ鏡に映った状態にするエフェクト。オフセットと一緒に使うことでいい感じに見せたい部分を強調させることができる
- ディスプレイスメントマップ…説明が難しいエフェクト№1として名高いやつ。ノイズの素材動画を元に、MVをそのノイズ通りのズレを起こさせるためによく使う
(ディスプレイスメントマップ使用場面。元素材通りにノイズが走る)
- Particular…言わずと知れたパーティクル用プラグイン。無人島に持っていきたい有料プラグインで頻繁に名前を聞く。グラフィックが画面のいたるところに高速で出現するところはこれで作成
- Twitch…有料のノイズプリセット。色・ライト・時間・大きさなど様々なものをずらしたりノイズ化できる。個人的には時間を前後に往復させることで音合わせがうまくいって気に入ってる
他にも色調補正エフェクトなどは使っていますが、サビ部分はおおむねこれらのエフェクトを使いまわしている感じです。全体としてゴチャゴチャしている画面構成ですが加えたエフェクト自体はシンプルで、組み合わせの順番を変えるなどしている程度です。
標準搭載のエフェクトだけでもかなり理想に近い効果が得られたので満足してます。やはり有料プラグインの過信は禁物…
あと、せっかくなのでParticularと各シェイプレイヤーを使って作成した賑やかしの素材置いておきます。こんなんでよかったらいくらでも使ってください
この場面とかに使うために作った素材。背景が寂しいときとかに使えそう
③終わりに
MVの原田美世のバックで踊っているメンバー、ユニットとかではなくて全員SSR衣装が黄色ってだけで選んでいます。でも白黒に色調補正して使ってるから何一つわからんことに完成してから気づいた。
アホかな?
④参考にした作品
【G2R2018】energy trixxx / KAH【BGA】