2020年12月23日(水)水曜シェアリング・リポート
Wednesday
Shearing 2020/12/23

参加者(敬称略) ヒジョン・チェ(国際公募招聘アーティスト) アーロン・マクラフリン(国際公募招聘アーティスト) 荒木悠(アーティスト/映画監督、国際公募選考委員)Sunjin(アーティスト) 三橋紀子(アーティスト)千葉麻十佳(アーティスト、国際公募コーディネーター) 小田井真美(さっぽろ天神山アートスタジオ AIRディレクター) 小林大賀(さっぽろ天神山アートスタジオ コーディネーター) 松田朕佳(アーティスト)
開催時間 19:00 - 20:50
さっぽろ天神山アートスタジオ・オフィスより小田井真美さん。同じく天神山の滞在スタジオから千葉麻十佳さん。英語の発音がYou are lucky (Yu A Raki)になるという荒木悠さんは東京のご自宅から。荒木さんはこの後、コロナの様子を見ながら北海道の厚岸へ牡蠣漁の取材へ行かれるとのこと。ヒジュンさんはソウルのアトリエからの参加。「コロナにかかりたくない」と不安げな様子。制作の方ではコーディネータ・千葉さんと秘密のプロジェクトを遂行中だとか。「来年見せます」と焦(じ)らしてくれました。アーロンさんは昨日パリから9時間バス移動で現在アムステルダム。背後に掃除機が映り込む廊下のようなところからの参加。実はこの後アトリエを引っ越さなければならないとのことでソワソワ。「アムステルダムはコロナの影響で街はロックダウンしています。それでも人々はマスクをしていません」と町の様子を教えてくれました。明日の朝はコロナの検査を受けてイギリスへの一時帰国行の予定だそうです。
アーロン「パリはとても良かった。旅行者がいない中、唯一の旅行者だったから、みんなにちやほやされたよ~」と嬉しそう。「ソーシャルディスタンスを保ちながらまだプロジェクトは継続できそう」とのことなので、良かったです。
ソウルからもう1名。最近学校を卒業したばかりで天神山ファンだというサンジュンさんは、ソウルで絵を描いているアーティスト。
Sunjin「アーロンさん、ロボットは一緒なの?」(←これはみんな気になるでしょう!)
アーロン「いや、ロボットと一緒にいると盗まれたりしそうで怖いから・・・でもスポンサーを見つけて日本に送ろうと思っている」
荒木「もうロボット買ったの?」
アーロン「いや、まだ。セグウェイと交渉を始めたところでロックダウンになっちゃって」
ということで、ロボットはまだ手元にないけどリサーチは始まっている様子でした。
小田井さんのご友人でロッテルダム在住のマンガラバーでもあるアーティスト、三橋紀子さん登場。背景にはベルギー生まれの柴犬「かきまる」(可愛いっ!)
小田井「アーロンさんに何かマンガのお勧めを」
三橋「ドラえもん」
限定販売だったというタイムマシーンのイラストが描かれたメガネを見せてくれました。すると、ヒジュンさんもドラえもんのコップを出してきてくれました。ドラえもん普及率の高さ!しかし、アーロンさんは知らなかったようす。
三橋さんさんは大学でマンガ家・石ノ森章太郎をテーマに、日本のマンガヒーローが西洋化していく過程についての卒論を書かれたそうです。
アーロン「読みたい!」
三橋「当時は手で文字を書いていたから、、、、デジタル版はない!」
全員「ざんねーん(笑)」
三橋「90年代最後の時代で今とは違った。コンピューターを持っている友達は数人しかいな買ったから、貸してもらってタイプして印刷して、、、windows 95が出た後くらい。メディアコースにいたけど、生徒たちはコンピューターを持っていなかった」
Sunjin「小田井さんとはどのようなお知り合いなんですか?」
小田井「北海道で会ったんです。インターナショナルアートフェスティバルのオフィスにいた時に一緒に仕事をしたのが最初。20年くらい前の話」
三橋「若かった」
ヨーロッパ在住の日本人にインタビューをしているアーロンさんは、三橋さんにロッテルダムの日本人ソサエティーについて訊ねてみる。
三橋「2006以来ロッテルダムにいるけど日本のソサエティーとは交流がない。日本人の友達はいるけどアーティストやアート関係者。精神科医の友人が言うには、日本でいう「普通」の範囲は狭い。オランダでは広い。私たちは日本の「普通」尺度にフィットしない文化難民だ」
マンガプロジェクトを遂行中のアーロンさんの見解によると、西洋が個人主義的なのに対し、日本はコレクティブ(集団的)だということはマンガを読んでいても伝わってくるらしい。
文化によって笑いの違いも当然あるようです。
そこで荒木さんの、日本におけるお笑いとアートの比重についての考察。
荒木「M-1グランプリも終わって間もないですが、普段は社会風刺のようなものもあるのに今年のネタは”単に下らない”という笑いだった。このご時世だから、何も考えずに笑いたい、という心境なのでしょうか。ともあれ、日本ではお笑いの方が現代美術より需要があるし、芸人さんの地位が高い」
Sunjin「日本のテレビのお笑いにかけるお金のかけ方、すごいですよね」
アーロン「風雲!たけし城、見たことある。あの”くだらなさ”すごい。楽観的。イギリスもアメリカも、お笑いはポストモダンというか、もう、メタモダンになっていて。それでも芸人の地位はアーティストより低い」
なるほど、たけし城は翻訳されていたんですね!
話は変わって、ヒジュンさんとサンジュンさんがコロナ禍ソウルのアートシーンについて教えてくれました。
ヒジョン「美術館は閉まっていますが、プライベートギャラリーはオープンしています。光州ビエンナーレは中止になるのか延期になるのかわからない状況です。日本だと東京オリンピックのこともありますよね」
日本人(苦笑)
小田井「札幌では札幌国際芸術祭2020もオンラインになりましたよ」
荒木「オンライン鑑賞するための仕事の依頼があるのですが、なかなか難しいです。私自身もそうですが、パソコンやスマホでは集中できない。鑑賞者の環境や集中力をコントロールできない中での作品の想定が難しいです。作品の時間を短くするか、ものすごく長くするか・・・」
松田「どのくらいがちょうどいい長さだと思いますか?」
荒木「多分、、1秒くらい」
全員(笑)
ヒジョン「オンライン展覧会の課題ってありますよね。インスタグラムとかレビューの方が実際のオンライン展覧会より評判が良かったり。まだまだこれから良くなってくのでしょうね。良い面もあるし。例えばオンラインで天神山をお散歩できたり」
小田井「さっぽろ天神山アートスタジオもVR、できたんです!」
https://my.matterport.com/show/?m=5GExMk2uu4T
最後はみんなでさっぽろ天神山アートスタジオの中をお散歩して解散しました。
(松田)