モアイ像で知られる南米チリのイースター島。世界遺産で知られるこの島が、日本に売却されようとしていたのです。時は1930年代、売却しようとしていたのは、当時のチリ政府です。軍艦建造の財源を捻出しようと、日本政府に購入を打診しました。
これを伝えるのが1937年にチリにある日本大使館から送られた公電です。極秘と記された公電には、購入について、「『インタレスト(関心)』ヲ有スルヤ否ヤ」とチリ政府からの照会内容が記されています。
島の概要や地図など参考資料も添付されています。これを受けて、日本政府は当時の日本海軍と水産関連企業と協議。海軍からは、「軍事上の価値はそれほどないが、航空機が発達すれば航空路用地として有用」などの返答があったと記録されています。
このあと、日本政府は、チリ政府がアメリカやイギリスにも売却を打診していたことを知り、結果的に購入には踏み切りませんでした。イースター島が世界的な名所になっている現状を考えると、購入していればどうなっていたのか、想像は膨らみます。公文書が伝える知られざる歴史の一幕です。
“いつもコップの7割くらいまでお茶を注ぐからその高さに茶渋がつくんだけど、そうするとなぜかその茶渋に合わせてお茶を注ぐようになって茶渋の位置が意味あるもののように機能しはじめるし、それを覆すことが難しくなって、何もかもこういうふうに決まっていくんじゃないかと思ってしまう時があるな”