KARASU no ZAREGOTO

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SKYRIM不動産案内番外編:Princess Riverwood Cotage

 いらっしゃいませ、お客様。本日はどのような物件をお探しですか?
 はい……ふむ、なるほど。はるばるシロディールより、病気のお嬢様の療養にいらっしゃったのですね。スカイリムの新鮮な空気が体にいいとお医者様に言われて……それでは道中も、お嬢様のお体が心配でならなかったでしょう。
 そういたしますと、お客様のご希望は……ああ、やはりそうですか。人の多い大都市よりも、のどかで静かな田舎町がよろしいのですね。それから、あまり寒くないほうがいい、と。それに……え? お客様ご自身は、どうしても帝都に戻らなければならないので、お嬢様お一人でお住まいになられるのですか? はあ……なるほど、ですから、住民たちが喜んで受け入れてくれるような、優しい人たちの多い場所がいい、と。
 ―――いえ、ご心配なく。ございます。少し特殊な物件にはなりますが、きっと気に入っていただけるのではないでしょうか。幸いスカイリムでも南のほうにあり、ここからもそう遠くはありません。もしよろしければ、今からでもご案内できますが、いかがいたしますか?
 はい、ではすぐに馬車をご用意いたしますので、少々お待ちくださいませ。

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 ここはリバーウッドという小さな村でございます。戸数も10軒程度で、お住まいのかたはみなさまとても良いかたばかりです。
 あいにくと商店が乏しく、薬を取り扱う錬金術の店はないのですが……あ、それは大丈夫なのですね。薬に頼りたくないからと、より体にいい環境を求めていらっしゃった、と。なるほど。
 はい、左手にございますのが、アルヴォア殿とおっしゃる鍛冶師の作業場です。その少し奥、右手側にはリバーウッド・トレイダーという雑貨屋がございます。こちらにはとても気持ちの優しい若い女性もいらっしゃいますから、きっとお嬢様も安心して頼ることができるでしょう。
 その奥には宿屋スリーピング・ジャイアント。左手奥は製材所になっております。この宿屋の女将と、製材所を経営するご夫妻も実に頼りになるお人柄ですので、なにか困ったことがあれば必ず相談に乗ってくださるでしょう。
 この村の公共の施設といえば、それくらいでしょうか。
 では、こちらへどうぞ。ご紹介したいお住まいは、スリーピング・ジャイアントのすぐ向かいにございます。……あ、ご心配なく。小さな村ですから、夜中に呑んだくれが集まって騒ぐなどということはございません。そんなことをすれば、すぐに村の皆に嫌われてしまいますからね。

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 さあ、いかがでしょうか。こちらが「アイヴィー・コテージ」でございます。
 実はこの建物は、この村にお住まいのご婦人たちが、自分がもっと若かったら、あるいは好きに家を作れたならどんな家に住みたいか、というおしゃべりをなさいまして、我が社がそれを元に建築にしたものになります。

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 名前の由来は、申し上げるまでもございませんね。はい、壁に這わせてあるツタの葉です。
 この小さな花壇も、ご婦人がたのご希望で添えつけました。どうやら住人がいない今も、皆様が代わる代わる世話をしてくださっているようで、枯れた花がいつまでも残っているなどということはございません。ありがたいことです。
 では、中へご案内いたします。

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 内装にもこのようにツタを用い、タペストリーも緑をメインに使用しております。それだけでは少し寂しい、あるいはあたたかみがないとのご意見をいただいたので、随所に毛皮を敷いて寒気を防いでおります。
 武器ラックもございますが、もしかするとお嬢様が怖がられるかもしれませんので、今は武器を取り外しております。

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 ご覧のとおり、部屋というほどもない一間かぎりの物件でございますが、一人暮らしであればむしろこれくらいのほうが無駄に歩きまわらずに済むのではないでしょうか。
 え? ああ、もちろん、寝台はございますよ。来客があったときに、寝乱れた寝台を気にするのは嫌だと皆様おっしゃいますので、プライベートな空間は地下にご用意いたしました。
 あちらから下りられますので、どうぞ。

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 あまりご興味はないのかもしれませんが、一応は冒険者のかたにお貸しする、あるいはお売りすることを想定いたしまして、錬金台と付呪台が設えてあります。……ああ、なるほど、お嬢様ご自身はできるだけ薬を使わないでいたいとお思いでも、やはりそれが必要なものではあるとお考えで、他のかたのために、薬師になりたいと。では……? ああ、良かった。でしたらこの設備も活用していただけますね。

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 そしてこちらが、ご婦人方のご要望でどうにか入れることのできた、特別製の寝台です。いや……本当にそうですね。多くの女性が、いくつになってもお姫様に憧れる。不思議ですが、分かる気はいたします。

 いかがでございましょうか。シロディールの、しかも帝都の絢爛な建築物の中で育ってこられたかたには、ともするとみすぼらしく見えるかもしれませんが……。
 ああ、良かった、気に入っていただけたのですね!
 え? あ、お客様は、本日はスリーピング・ジャイアントに宿をお取りになられる、と? なるほど、そうですね、ご自身の目で、村のかたがたをよく見られるのがよろしいかと存じます。
 ええ。それでご納得いただけたときには、ぜひお嬢様ご自身にも見ていただいて、お気に召していただけるようであれば、ご契約に移りましょう。
 では、わたくしはこれで失礼いたします。また日をあらためて……はい。またよろしくお願いいたします。