KARASU no ZAREGOTO

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Skyrim不動産案内番外編:Wizard’s Well

 俺は【Ruska】って家に住んでる。設備は整ってるし、内装なんかのセンスも抜群で、かなり人気のある家だ。
 けどまあ、住んでるって言ったって、自他共に認める旅猫なんで、めったに帰らないのが本当のところだ。昔はリフテンのとある場所に縁があって、その頃だったらもう少し頻繁に出入りしてたのかもしれない。けど俺がここに引っ越したのは、その"縁"に寄り付かなくなってからで、だから実際のところこの家には、戦利品が溜まったら片付けに寄り、数日ごろごろするくらいになってる。
 俺はこの冬珍しく風邪を引いて、そのせいで家に数日、引きこもっていることになった。だからたぶん、その数日、俺が外も見ないでベッドの中にいたときに、それは出現したことになる。

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 ようやく熱が引いて外に出たら、見慣れない変な光が見えた。近づいてみると、……井戸、というか、なんというか。とにかくなんか変なものが、家の前にできてたんだ。
 いったいなんだこれはと思うと、風邪が治りきってないのはそっちのけで、俺は中に引き返して簡単な旅装を整えた。調べずにスルーするなんて、できるわけない。
 改めて外に出、井戸の中に満ちた光に手を突っ込む。その途端―――

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 目眩でもするみたいにくらっと来て、気がついたらここにいた。
 どうやらこの穴が、さっきの光の井戸に通じているらしい。で、こっちからは、鎖を引くと作動するんだろう。
 初めてじゃないから驚きはしない。魔法だか超技術だか知らないが、転送装置ってヤツだ。3つあるってことは、あと2ヶ所、どこかに行けるはず。けどそれを確かめるのは、後でいいだろう。

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 転送装置には驚かないが、この景色には驚いた。なんなんだ、あの変な……どう言っていいのかもさっぱりだ。金属のパイプがうねうねとうねりながら何本も立っていて、それに支えられてる……

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 石? よく分からん。けどその上になにか、ちらっと見えている。テーブルか?

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 いったいここはなんなんだと思って見回すと、薪割り台があった。

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 それに、鍛冶場だ。ってことはここは、なんか変な町とか、それとも家とか??
 金属のパイプはドゥーマー風だが、ぼんぼりはダークエルフのヤツだ。

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 でもこれは……石の円筒に、煮えたぎるみたいな金色の液体が満たされている。どうやら溶鉱炉らしい。だがこんなもの、いや、この見た目ってことだが、これまで見たこともない。
 見たことがないもの。それが好きじゃなかったら、たとえ自称だって冒険家なんて名乗らない。俺はワクワクしてきて、なんとなく残ってた体のダルさも吹っ飛んでいた。

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 なめし台は金庫で支えられてて、

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 これはどうやら研磨器具のようだ。つまりは砥石。ってことは、ここにある変わったものは、ドゥーマーの鍛冶設備ってことか。
 作業台や金床はよく見かけるタイプのものだったから、このへんは文化が違ってても大差なかったのかもしれない。
 なんとも言えない不思議な空間だが、他にめぼしいものはない。
 あるとすれば階段だけで、登っていくと、何度か味わったことのある、ムズムズした感触に襲われた。これはあれだ。なんていったっけ。ソルスセイムの、ほら、あの人、なんか偉そうな、実際に腕はいいんだろうけど、性格に難ありの魔術師のおっさん……。ともかくあの人の家にあった、ふわーっと浮いて二階に行く仕掛けだ。
 これでどうやら、石だかなんだか知らないが、灰色の構造物の上、テーブルがあるらしい場所に行けるに違いない。

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 よし! どうやらここは、ずいぶん変わってるものの、誰かの家みたいだ。誰か住んでるだろうか。だとしても、スカリイム、というかタムリエルの流儀で行くと、鍵があいているなら、訪問客が嫌がられることはめったにない。
 俺は気楽にドアを開けてみた。

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 外観からある程度は分かったが、こっちはダンマー風だった。
 けど間取りはセヴェリン邸とだいぶ違うらしい。

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 しかもこれ……入り口にもあった円筒形の石のなにか、これは棚にもなるのか。ここは台所かな。石筒の棚には食材なんかが詰め込まれ、調理鍋も置いてある。

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 奥はベッドだ。へー、地下に行かずいきなり寝床は、客が来ることを考えるとちょっと困る気もするが、……まあ、魔術師かつ変人だと、友達って、まずいない気がするのは偏見か?
 しかしここ、なんていうか、明かりの具合がいい。暗すぎず、明るすぎない。かなり俺好みだ。

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 それから逆サイドはちょっとした荷物置き場って感じだ。カップなんかも並んでる。

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 そして地下は、妙な光の玉があっちこっち光線をのばしてる不思議な部屋だった。

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 錬金、付呪器具に、

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 こっちは書庫、……いや、倉庫かな。本棚は、自力で入れていける小さな棚もあったが、大量にしまうならこっちだろう。上の階にも戸棚はいくつかあったし、更にタンスが2棹あれば、いろんなものを分けて仕舞うのも簡単だ。
 家の中はこれくらいで、シンプルだし、使いやすそうだった。
 今は無人だが、作ったのは、あるいは元住んでいたのは魔術師とかそういう人なんだろう。
 これならあいつに教えてやれば新しい住民を見つけ出すに違いない。このおかしな場所に入るときと、家の中に入るときでちょっと待たないといけないのは気になるが、それを差し引いても、面白い家だし、住みたいという人はすぐ見つかりそうな気がする。
 あ。あとあれだ。入り口の三つの石筒。一つは俺の家の前のあの光の井戸として、他の2つはどこに通じてるんだ?
 と思って下に戻って鎖を引いてみると、

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 1 つはウィンターホールドだった。大学に向かう石の通路の上だ。

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 それからもう1つはマルカルスの馬屋前。
 これは移動用のポータルとしても便利だ。というか、大学にふらふら遊びに行く俺としては、あそこから家まですぐ戻れるのはかなりありがたい。住民ができて、勝手に使うなと言われないことを祈ろう。
 ただ、内側の石筒、どれがどこに通じているのか目印がない。慣れてしまえばたった3ヶ所だし問題なさそうだが、なれるまでは目印になるものを近くに置いておいてもいいだろう。ちなみに左から、リテフン、マルカルス、ウィンターホールドだ。
 ついでに言えば、(ちょっとメタだが)俺の家にはFT用のマーカーがなくて、リフテンの馬屋か近くの農場に飛ぶのが最寄りだったんだが、この光の井戸があれば目の前だしな。どうせなら、気楽でのんきなご近所さんができてくれるとありがたい。
 さて……マルカルスまで来たついでだ。このあたりでちょっと、なにかまだ見つけてないロケーションがないか、探してみるとするか!