【児ポ法】いわゆる単純所持(持ってるだけでアウト)の罰則適用が、もうすぐ始まります

この記事は、Jコミのメルマガ「はんぺん53号」(2015/4/20)からの一部転載です。
「はんぺん300円」 http://www.zeppan.com/Mmagazine/title/2

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┃2 ┃コラム:児ポ法単純所持の罰則適用開始日をお忘れなく
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(※注意:「児ポ」という言葉を省略せずにちゃんと書くと、迷惑メールと判定されてしまう事例があるようですので、わざと省略して書きます)

【いよいよ7月15日から】

 おそらく皆さんお忘れかと思いますが(^^;)、児ポ法改正の単純所持についた「1年間の猶予期間」が、そろそろ終わります。今年7月15日からは、児ポの「所持」に罰則が適用されるようになるのです。つまり麻薬や銃と似たような扱いですね。

 詳しく言いますと、いわゆる単純所持(法7条1項)は改正法施行から罰則適用開始まで1年間猶予があって(改正法附則第1条2項)、7月14日までは適用されません。ですが翌15日からは「一年以下の懲役又は百万円以下の罰金」が適用されます。

 しかしこの一年、国は殆ど広報というかキャンペーン的なものをやってきませんでした。この分ですと、「いきなり逮捕者が出て、全国民ビックリ!」がありそうです。何しろマスコミもさっぱり報道してないですから。
 予想では、5月末日から6月末日くらいに週刊誌などが煽りまくると思っていたんですが、この分だとやらないかもしれません。で、いきなり誰かが逮捕されて、急に話題になるパターンかなぁと。被害者がどこにも存在しない漫画やアニメは法的にも「児ポ」ではないのですが、そんな簡単なことさえ、普通の国民は全然知らないですからね。


【最初に逮捕されるのは?】

 いわゆる単純所持の禁止については、冤罪多発の危険性があるものの、自分の画像が拡散して苦しんでいる現実の児童(「当時」含む)がいる以上、全く役に立たないというわけでもありません。法律として決まってしまった以上は、これを適切に役立てていく努力をした方が建設的と言えるでしょう。

 そう言えば先日、参議院の山田太郎議員が大変ツボを押さえた質問主意書を参議院議長に提出し、
 http://taroyamada.jp/?p=6954
その答弁書が閣議決定を経て帰ってきましたが、
 http://taroyamada.jp/?p=7028
内容は「一概にお答えすることは困難」のオンパレードでした。(^^;)
もうこれを見る限り、「何がどうなりそうか」はお上自身も全く分かっていないような状況です。

 そこで、「まず最初に単純所持で逮捕される案件」をここで予想してみましょう。・・・実際には、痴漢事件や強制わいせつ事件なんかで家宅捜索に入ったところで児ポ発見&再逮捕みたいな事例もあり得ます。(これが一番起こりうるのでは。)
 しかし、これは警察が狙ってできる案件ではないので、おまわりさんが意図的に逮捕に動いた場合の案件を、大胆予想してみたいと思います。


【どういう「児ポ」で?】

 「児ポ」にもいろいろあります。宮沢りえの『サンタフェ』(当時17歳=児童だったと言われている)のような微妙かつ一般的なものから、1万2千人買春の元校長先生が大量に所有していた分かりやすい「児ポ」まで。

 『サンタフェ』については国会でも議論になりましたが、結局よく分かりません。芸術作品なので・・・という議論のところまでは来たようですけど、芸術作品であることは「児ポ」にならない要件ではないので、やはりよく分からないのです。
・・・すなわち、こういう事例ではほぼ間違いなく「捕まえない」と言えるでしょう。最初の案件としては曖昧すぎます。微妙な裁判になって変な判例でもできてしまった日には、警察としても悔しすぎますからね。

 著名アイドルのヌード写真集の単純所持で逮捕されることは、初期案件としてはまずないでしょう。あと、50冊の熟女本と1冊の児ポ写真集を持ってるような人。こんな人もまず捕まらないと思います。
 また、「実写の児ポ系写真集を昔持っていて、今も押し入れのどこかにあるかもしれないが、ここ数年は全く見ていないので分からない」という事例。これも捕まることはないとの説明が、児ポ法改正案を担当した実務者(国会議員)の先生方からありました。・・・しかしまあ、別件逮捕ではその限りではないでしょう。

 何しろ、自分の子供の日常写真でさえ捕まる可能性のある法文(=法律の文章のこと)です。そのまま読むと、国民全員が捕まってしまいます。
 国民だれでも逮捕できるようにしておいて、でも捕まえない。いざとなったら捕まえられるけど普段は逮捕しない。逮捕するかしないかは警察が決める。そういうのが日本の警察の好みなんですよね。

 そして最後ですが、漫画やアニメなど、被害者がどこにも存在しない「架空の創作物」は児ポではないので、所持していても捕まることはありません。
 被害児童ではなく「社会風紀」を守りたいだけの人は、いつも漫画アニメをやり玉に挙げがちなのですが、そんなヒマがあったら少しでも多くの被害児童を救うべきだと思います。警察のリソースは有限なのですから。


【大胆予測!】

 というわけで、「分かりやすい実写の児ポ映像  (=被害者が存在する) 」を大量に持っている人。これが普通に、最初に単純所持で逮捕される案件になるかと思います。でもその上で、大胆な予測をします。例えば情報提供(通報)が複数入った場合、 私が警察だったら優先してこういう人を狙うという予測です。

 警察としては、なるべく少ない逮捕で違法行為を抑制したいわけです。いわゆる見せしめ逮捕ですが、事例吟味して選ぶなら、波及効果のある人を選ぶでしょう。波及効果があって、児ポを大量に持ってそうな人。そう、私ならロリコンもの(またはキワどいBL)だけをメインで描いている成人向け漫画家を選びます。

 漫画家は、男女問わず、デッサン資料として写真集(データ含む)を大量に持っていたりします。さらに、漫画アニメは本来「児ポの対象にならない」のですが、もし漫画家が「実写の児ポ」を持っていて捕まったら、何だか「漫画も含まれる」感じで国民がニュースを受け止めますよね。その効果は絶大です。商業&コミケ&ネット文化の風紀が一気に引き締まるでしょう。

 実は、「児ポ」製造や児童虐待のほとんどは、家庭内で起こってます。お父さんやお母さんが公認で映像を作成したり、自分の子供を虐待してそれを撮って売ったりする。けれど、国民はその手の話を好まない。あまりにも悲惨な話だから、警察が親を逮捕したとしてもマスコミもあまり流さない。
 しかしその点、オタクや漫画家が捕まるのは、国民的にもマスコミ的にもOKだという風潮が確かにあります。酷い話なんですけど。

・・・どうでしょう。杞憂に終われば良いのですが。
該当する方、それとなく用心していただければと思います。
具体的な資料の廃棄方法や対策などについては、以下の動画をご覧下さい。
・赤松健先生と児ポの裏話や著作権の非親告罪化について話しました。

 ちなみに、この予想は「いわゆる単純所持」だけの話であって、児ポ系のDVD製作業者などは、昔からバンバン逮捕されています。今回は所持したり購入したりする市民側の話なのです。

 もちろん、私が逮捕される可能性もあるわけですが、私のコレクションは熟女モノばかりなので、まず通報するハードルが高いかも?(^^;)

                         (この項おわり)