









ott.5.2019 滝川林道
秋の、晴れの、乾いた風が吹き抜ける山歩きだった。
予定通り6時から歩き始めた。
釣橋小屋まではいつも通り。
特に大きな倒木もなく、濃い踏み跡を辿る。
釣りの輩がそのつもりはなく維持してきた踏み跡だ。
釣橋小屋で渡渉する時用のサンダルを装備に加え損ねたけれど、なんのことはなく飛び越えることができる場所があった。
枝沢までの踏み跡は釣橋小屋からしっかりついている。これも釣り師が引き継いできた道だ。
しかし、枝沢から通り尾根に取り付く場所は見つけることができなかった。一体どこにあるのか、無理やり登ったから今でもどこにあるかははっきりわからないけれど、尾根の先端にあることは確実だ。無理やり取り付いた尾根には下り方向に桟橋付きの尾根道があり、先端から降っているようだった。
通り尾根を上る。
普通の尾根道だけれど痩せていて両側が切れ落ちているところもあった。ここが本当に過去、盛んに通られていたとは思えないほど歩きにくかった。
踏み跡は尾根の左右にフラフラと付いていて、左に傾けば枝沢の、右に傾くと滝川本流の流れの音が聞こえた。
1270mの独標を探したけれど見当たらず、1477mの独標付近に到着。事前の情報では、ここに通り尾根と滝川林道の分岐があることになっていて、確かにその分岐と思える方向に道はあった。滝川林道はここから急峻な斜面をトラバースする。分岐の先を見るとまだまだ先に行けそうだったから、当初、通り尾根を1800mくらいまで上りブドウ沢の支流手前の尾根を下ろうと思っていたけれど、歩けなければブドウ沢に下降、もしくは通り尾根まで登るつもりで滝川林道をそのまま歩いてみることにした。
分岐後、枯死したスズタケのヤブで道はあっという間に判別不可能になった。それでも高度を維持して歩くと再び道型はあった。原さん、田部さんがここを歩いたんだ。と思うとなんとも言えない気分になったけど、道型はすぐに無くなった。そんなことを繰り返しながら歩を進めると、直進方向はほぼ垂直の崖になった。
ヘルメットを着用しロープを襷掛けにしていつでも使えるようにした。
降るよりも登る方が安全に見えたから少し高度を上げてトラバースし、ロープでもとの高度に戻った。危険なトラバースは正味200mくらい。ここがこのコースの核心部と思っていた。行けなそうで行けそうで、なんとも判断に迷わされる地形だった。
ブドウ沢下降手前の高度1400m(1450の間違い 2021年修正)の鞍部から谷の底付近では、不意に腿まで踏み抜き足を取られた。
ブドウ沢右岸を歩き始め、あるはずの古い落ちた道標を探したけれどなかった。
ロープとヘルメットを外しザックにしまった。
ブドウ沢は1500m付近で伏流になった。伏流のためどこで間違えたかわからなかったけれど支流を辿ってしまったことにはすぐに気づけた。尾根を越えてブドウ沢に降りる途中にまたまた道型があった。再び水が見えてきて、1700m付近では沢というより湿原のようだった。ブドウ沢は水晶、古礼などとは異なり原頭部は地形がなだらかで楽園のようだった。
沢沿いにドラム缶と多数の酒瓶が落ちていた。沢にかけられた丸太の橋は、分厚い苔に覆われていた。
沢の水をすくって飲み、体を拭いた。
笹藪を歩くと雁峠山荘が見えてきた。
雁峠の稜線に出て燕山、古礼は巻き、水晶山を越え久しぶりの雁坂小屋。道中秋の爽やかな風が吹いていた。小屋でゴローさんに挨拶し、一休みしてから出会いの丘に降りた。
久しぶりによく歩いた一日だった。
06:10 出合いの丘
06:40 釣橋小屋への分岐
07:00 岩場トラあり
07:10 火打ち石尾根
07:45 釣橋小屋
08:40 1270m独標
09:25 1477m独標
10:50 1400mブドウ沢下降手前のコル
11:25 ブドウ沢支流出合
12:50 雁峠
14:45 雁坂小屋15:15出発
16:50 パイロット道路終点
着替えの途中、出合いの丘の管理の方から、
“滝川林道は迷い込む人が多く危険なため、道を壊した。と今の仕事に就く時に管理事務所の所長さんから聞いた。自分が子供の頃、滝川林道は遠足で歩いた。”
と聞いた。
遠足に使われるくらい、それなりに整備されていた道だったことがわかる。もっとも今みたいに過保護な教育があった時代のことではない。
大滝温泉で汗を流し、駅馬車でハンバーグステーキ単品とナポリタンの大盛りを食してから帰途についた。