この箸は、最も原始的な形をしているのかもしれない。そう思いながら作り続けている箸がある。
〜犬槇(沖縄方言:チャーギ)の削り箸〜
それは、チャーギの丸太を斧で細く小割にしたものを、木の繊維に沿ってナイフで削り整え、拭き漆で仕上げた素朴な箸。
パカン!と勢いよく2つに割る。割れたものを拾い上げ、またパカン、2つに。それをまた2つ。どんどん細くなる。気持ちが良い。
機械を使わず、手斧で繊維に沿って割ることが大切で、そうやって割った角材は、ちょっといびつ。くにゃっと曲がっていたとしても、それで合ってる。繊維に沿っているから、細くなっても折れにくく強い箸となる。途中までは荒々しいけど、最終的に箸先は細く、ピタッと揃える。よく研いだナイフで。
箸先一寸、箸の命はたぶんそこに宿る。
感謝の気持ちでいただく。飯粒ひとつ、茶碗に残さないように。だから繊細に、細く細く。
ありがたいことに、東京の虎ノ門ヒルズ ステーションタワー49階、2023.11.21オープンのフレンチレストランapothéoseさんで、このお箸を使っていただけることになりました。
ここ久米島とは景色のまるで違う、都心の大きなビルの最上階。
どんな料理が並ぶのだろうか。僕もそのうち食べに行きたいな。良いご縁に感謝。北村シェフをはじめ、関係者の皆さま、本当にありがとうございます。
6works,
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